ウェブ制作ウェブコンサルティング:POTLATCH|ポトラッチ

インターネットがぶっ壊したもの、ぶっ壊せなかったもの

インターネットが普及してから、気づけばもう20年程経過しているのでしょうか。当時私は多感なハイティーンで、WindowsのバージョンはまだWindows98でした。

インターネットといえばまだダイヤルアップ接続で、ISDN接続が出てきた時は「おお!電話中でも回線が切れないぞ!」と興奮していたものです。

しかし、20年も経過すると本当に色々な事が変わりました。今回は、インターネットが破壊した物事について色々と書いて行こうと思います。

目次

インターネットに破壊されたのは雑誌

昨今、雑誌が廃刊になっています。もしくはページ数が減ったり、用紙の質が下がったり・・・。元々私は「本の形」をしたものが好きで、月に何冊も雑誌を買っていました。

しかし、現在雑誌は一冊も買っていません。

そう、雑誌ってぶっちゃけたいした事書いてないんです。過去、にちゃんねるは「便所の落書き」と呼ばれていました。ネット上の情報に対して、ある時期までは雑誌やテレビ・ラジオなどの旧来のメディアに比較して「なんか信用ならない」という風潮がありました。

しかし、現在はどうでしょうか?正直、にちゃんねるが「便所の落書き」なのであれば、旧来のメディアだって「子供の落書き」みたいなものです。なにせ「広告主」というクライアントのご機嫌とりに、かなりいい加減な事をやっています。

ニュース関係など特にひどく、ある程度「メディアリテラシー」が必要にはなってしまいますが、ネット上の情報も侮れなくなってきています。

また、昨今では旧来の既存メディアを運営するがごとく、ネット上でメディア発信をしている企業も増えてきました。また、草の根だった創世記に比べ、大手企業も「ネットの使い方」をある程度把握してきています。またスマートフォンの普及や利便性なども手伝って、ぶっちゃけ雑誌なんて買わなくても何も不便無い時代になったと思います。

そもそも今では様々なメディアが「電子版」と銘打ってインターネットメディアで情報発信している為、「情報が紙である必要」は既に皆無でしょう。

印刷費が削減できますので、電子書籍の価格が実物の本に比べて見るからに安い状況が来たらもう紙媒体は全滅でしょう。

インターネットに破壊されたのは音楽業界

RADIOHEADというとても有名なイギリスのロックバンドの中心人物であるトム・ヨークが「音楽業界が明日にでも無くなってしまうのではないかと不安になる」と言っていました。

現在、CDの売り上げはだだ下がりです。苦肉の策として、アイドルとの握手権や投票権を付けてCDを売ったところCDは売れた様ですが、「コンパクトディスクに記録された音楽データ」そのものに需要が有る訳では無かったようですね。

音楽業界が衰退していく理由は間違いなく「YouTube」や「ニコニコ動画」の台頭が原因です。

そもそも、著作権に反してはいるのですが、過去にリリースされた音楽作品が無料で聞けてしまいますし、自発的に動画投稿サービスに音楽作品や動画作品をアップロードし人気を博しているアーティストなども徐々に増えてきています。

過去、大手レコード会社はきっとメディアに大量に広告費を落としていたのだと思います。過去、テレビや雑誌といったメディアが「音楽の流行」を左右していましたが、現代はユーザーと作品の関係性がダイレクトとなり、また多様化したと思います。

インターネットに破壊されたのはテレビ

テレビを見たくて見ている人、というのは今現在かなり少なくなってきていると思います。元々惰性でテレビを見ていたわけですが、現在若年層はテレビを視聴する時間よりも、YouTubeやニコニコ動画を視聴している時間が長いというデータが有ります。

恐らく、テレビを見ずにその時間をSNSを利用している人も多いと思います。

そもそもテレビというのは「一方的」でした。おもしろかろうが、つまらなかろうが、過去はメディアの中心にテレビが有りました。面白く無いのに、基本的にお金がかからない手頃な娯楽や息抜きとしてテレビが視聴されてきましたが、そもそもテレビのチャンネル数は少なく、また製作者のセンスが良いとは言えず、様々な趣味趣向に対応できていませんでした。

インターネットの台頭で「好きな情報にいつでもアクセスできる」という状況になり、テレビは過去の様に「メディアの王様」ではいられなくなりました。

動画配信サービスなんて月額千円程度で大量の映画を見ることが出来ます。仕事中に動画をかけっぱなしにしていたりすることが有るのですが、テレビの必要性は一切感じません。

現在、テレビ局も「オンデマンド」などと銘打って、ネット上で有料で番組を見れる取組を行っている様です。いっそ、全ての番組をネット配信し、いつでも見れるようにしてくれれば、と思うのですが、他のコンテンツと質・価格が比較された中で生き残れるかどうかは解りません。

インターネットに破壊されたのは著作権

インターネット上には著作権に反し、著作者の意思とは無縁に様々なものが共有されてきました。YOUTUBEなどでオフィシャルチャンネルで情報発信しているアーティストもいますが、半分以上は著作者に許可無く勝手に上げているものだと思います。

他にもさまざまなところで著作権に反した形で様々な情報が「勝手に」アップロードされています。

勿論著作者にとってなんの利益にもなりませんが、金銭を発生させる仕組みを工夫しなければずっとジリ貧のままではないかと思います。削除されてもどこかにまた動画が上がっていたりすることもしばしば。

いたちごっこですので、いっそ全て無料コンテンツ化してしまい、広告料などで回収する、といった工夫で乗り切った方がいいのではないかと個人的には思っています。

それにしては広告料がネットはまだ安いのでまだ早いな、とは思います。しかし旧来のマネタイズ方法は現代にマッチしていませんので、旧来のやり方に対してのこだわりは一切捨てて新しい世界に目を向けなければならないのではないでしょうか。

インターネットに破壊されたのは路面店舗

ECサイトの普及によって、「手に入らない物」というのはかなり少なくなりました。また、ウェブ上では「価格の比較」が容易に出来、店舗や地代などが不要なウェブのみの物販などは店舗よりも価格設定を安く出来ます。

「実物を見なくては怖くて買えない」という性質の製品もあります。服などは試着できませんので、店舗で見たい方も多いと思います。

しかし、実店舗でみなくても問題無い製品も沢山ありますよね。例えばリピートして利用する消耗品などは別に現物を見る必要が有りません。

IT化に適応できなかった路面店舗で、かなり苦境に陥った店舗はかなりあるのではないかと思います。

インターネットに破壊されたのは健康

スマートフォンの操作や、マウス・キーボードの操作は体に悪いです。目にも悪いですし、肩や首や腰にも負担が。

便利さにかまけてしまい、中々気づきませんけれど、インターネットの利便性は慢性的に中毒化。体に悪いハズなのですがついついブラウザを開き情報を漁ってしまうこともあると思います。

インターネットが破壊したものの中で「最もヤバい」のは、健康じゃないでしょうか。正直私はたまにパソコンの無い世界に行きたくなります・・・。

インターネットが破壊できなかったのは本

雑誌は不要と感じますが、反面小説や内容の濃い書籍は生き残るのではないかと感じています。

実は電子書籍リーダーを持っているのですが、電子書籍で小説を読んでも不思議と頭の中に入って来ませんでした。

ですので、本は生き残るだろうな、と漠然と思っています。

インターネットが破壊できなかったのはレコード

現在、アメリカではレコードが売れまくっているそうです。この現象の背景について解った事が一つあるのですが、「CDなどの光メディアは10年程度で聞けなくなる」という事と、「ダウンロードした音楽データはPCが壊れると消える」という事です。

また、YOUTUBEにアップされていても、ある日突然消えていたりします。

反面、レコードは扱いを気を付ければ数十年間は持つメディアです。もしかしたら200年くらい余裕なのかもしれません。我が家にも50年前くらいのレコードがかなりありますが、今でも素敵な音を聞かせてくれます。

確実に愛する物を、物として永遠に保管しておきたい、という気持ちが、多くの人をレコード購入に向かわせていると思っています。

インターネットが破壊できなかったのは物の価値

情報の価値はどんどん下がってしまいましたが、その反面、物の価値はインターネットの登場によりむしろ上がったのではないか、と感じる事が有ります。

物の値段が解りやすくなりましたので、値崩れや掘り出し物というのがどんどん少なくなっているのではないかと思います。

プロダクトが元々持っている機能性は、いくらインターネットが便利でも代替出来ません。特に骨董価値の有るものや、価値のある中古品などはヤフーオークションなどの発達で値上がりした印象です。

最後に

意外な事ですが、インターネットの影響をあまり受けない分野というのが沢山ありました。それが以外にも「古い物」がしぶとさを発揮していた印象です。

しかし、雑誌などの「軽いもの」は本当にウェブの影響を受けている印象ですね。

端末の小型化も進んでいますが、人間自体が軽く小さくなる訳では有りませんので、利便性を追求すべきポイントはより便利になり、そうでないこだわりの部分は案外影響を受けないのかもしれませんね。

今後、ビジネスにウェブがより「当たり前」になっていく時代。インターネットの性質や、世の中の流れを見極めて成果を上げて頂きたいです。

モバイルバージョンを終了